ごろごろごろうの なまけものブログ

サラリーマンを「卒業した」なまけものの作者の、ゆるーーいブログ

語るなら、「好き」よりも体験 ー 今年度授業資料から

こんにちわ。ごろごろごろうです。

始める、と宣言した途端に、2日もサボってしまいました。早速。。。

 

さ、気持ちを切り替えて。

 

今回もまた授業の資料を元に作成しました。

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前期に、あるクラスでは課題として2週間に1回、英作文を出していました。その回答を見た気づきです。

 英作文の題目として、ある週に「好きなアニメ(もしくはゲーム)は何ですか?それは何故?」を課題にしました。

 

 すると、好きなアニメについては、「鬼滅の刃」などとみなさんそれぞれ書いてくれました。

 しかし、次の「何故?」という理由となると、確かに皆さん何かしら書かれていたものの、英語としてかなりたどたどしく、正直、文章になっていないような回答も散見されました。これには僕は少し驚きました。なぜなら好きなアニメ(もしくはゲーム)のことなら、みなさん饒舌に語ると思っていたからです。

 

 一方、翌々週の課題では、「自然災害にあったことはありますか?それはどんな種類でしたか?どんなことをしましたか?」をテーマとして出しました。ここ数年、日本や近隣の諸国では東日本大震災や前年度の台風など、自然災害が頻発していたので、学生も何かしらの体験は持っているだろう、と思ったからです。とは言え、いろいろと描写が難しいので、前々週のアニメの回よりは正直あまり出来は期待していませんでした。

 

 そして、出された課題を見てみると、例えば東日本大震災の体験として、小学校の校庭に避難したときのこととか、学校からなかなか家に帰れなかったことを書いたこと、あるいは前年の台風の被害の体験を書いた学生など、一人ひとりがそれぞれ自分たちなりの体験談をきちんと書いてくれました。

 しかも、英語的な出来でいうと、好きなアニメの理由の課題と比較すると、2週間前の同じ学生が書いたとは思えないくらい、みなさんちゃんとした英語で書かれているので、本当に驚きました。

 

 このことについて、自分なりに考察してみると、こんなことかなぁ、と思っています。

 まず、「好き」についてですが、好きなアニメ、好きな音楽、好きな映画など、自分が好きなものの名前については、だれでも比較的たやすく思い浮かぶと思います。(もちろん、分野によっては浮かばないものもあるとは思いますが)

 しかし、そのアニメなり音楽なり映画なりが「なんで好き」なのか、その理由については、明確な言葉になっていることってあまりないんじゃないでしょうか。それは、「好き」が最初に来て、その理由はどうしても後付なことが多いからだと思います。その証拠に、その理由に沿ったアニメや映画が他にあったとしても、必ずしもそれを好きになるとは限らないからです。

 一方、自分で体験したことであれば、一つ一つの場面を明確に、しかも視覚的だけでなく、音や匂い、温度感や味など、五感で思い浮かべることができます。そして、五感の思い出とともに、その時の感情とか、そのときに考えたことなどが実に具体的な言葉で浮かんできて、それを紡いでいけば文章になるから、ものすごく生き生きと語ることができます。

 で、それがいったん(日本語の)文章になれば、自然に英語的にもちゃんとした文章になっていく、そんな感じではないのでしょうか。

 これは僕にとっては面白い発見でした。

 

 これを応用すると、面接や普通の会話などで「なにかを好きな理由」を聞かれたときに、それがうまく語れないのであれば、自分の体験をもとに語っていけば良いのではないのか、と思います。

 つまり、そのアニメなり、曲なりを好きになった瞬間が必ずやあると思うので、その時の情景や感情を語るようにするのです。

 たぶん、その方が真っ直ぐに理由を語るより、より生き生きとすると思うのです。就職面接など、言葉に詰まったときに応用できるといいですね。

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